車のカリキュラム第22講 高く手放す技術
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車のカリキュラム / 第5部 出口編

第22講 高く手放す技術

査定は、何を見ているのか

第8講で「本当にかかったお金=買った額 − 手放した額 + 維持費」という式を出しました。 その「手放した額」を大きくする回です。 やることは難しくありません。手放し方を知り、査定が何を見ているかを知り、少し準備をする。 それだけで、金額は変わります。

01手放す方法は4つ

方法中身ひとことで
下取り次の車を買う販売店に引き取ってもらう手続きが楽。金額は控えめなことが多い
買取専門店買い取りを専門にする店に売る下取りより高くなることが多い。複数回ると差が見える
一括査定複数の業者にまとめて見積もりを依頼する金額は上がりやすいが、連絡が集中する
個人売買・
フリマ形式
個人に直接売る高くなる可能性はあるが、手続きと責任は自分持ち

いちばん大事な原則

1か所だけで決めないこと。 最低でも2か所、できれば3か所で見てもらってください。 同じ車でも、店によって金額が変わります。理由は、その店が「いまその車を欲しがっているか」がちがうからです。 在庫が足りない店は高く出しますし、すでに同じ車を抱えている店は安く出します。

📊 図解㉜ 手放し方の比較と、査定を上げるチェックリスト(A3横1枚)
4つの方法の比較と、査定が見ている9項目、そして査定前にやることのチェックリストをまとめました。手放すと決めたら印刷してください。

02査定は何を見ているか

査定士が見ているのは、おおむねこの9項目です。第10講で「買う側」として見た項目と、ほぼ同じです。

項目効き方自分で変えられるか
年式新しいほど高い変えられない
走行距離少ないほど高い。5万km、10万kmが節目になりやすい変えられない(手放す時期は選べる)
修復歴あると大きく下がる変えられない。隠さないこと
車種の人気需要のある車種は高い買うときに決まっている(第6講)
白・黒が有利になりやすい買うときに決まっている
グレードと装備上位グレード、人気装備は評価される買うときに決まっている
外装と内装の状態傷、へこみ、汚れ、におい変えられる
記録簿整備の記録があると評価される変えられる(残しておけば)
タイヤなど消耗品残りが少ないと下がることがある状況による

このうち、手放す直前に変えられるのは7番と8番だけです。 残りは買うときに決まっています。だから第6講で「数年後に効く選び方」を扱ったのです。 出口の話は、実は入口から始まっています。

03査定の前にやっておくこと

掃除に、どこまで意味があるのか

査定士は状態を数字で見ますが、大事に乗られてきた車かどうかという印象も見ています。 きれいな車は、見えない部分も手入れされている可能性が高いと判断されます。 高価な磨きに出す必要はありません。半日の掃除で十分です。

04タイミングで変わる

タイミングなぜ効くか
走行距離の節目の手前5万km、10万kmを超えると評価が下がりやすい。手前で動くと有利なことがあります
年式が変わる前年式は1年ちがうだけで評価が変わります
需要が高まる季節四駆やSUVは雪の前、オープンカーは春先。売る側として有利な時期があります
モデルチェンジの前新型が出ると、前の型の相場が下がることがあります
車検の前通してから売っても、車検費用の全額が査定に乗るとは限りません。通す前に一度査定してもらう

ただし第21講と同じで、時期より自分の必要が優先です。 使えない車を、季節を待つために置いておく意味はありません。

05一括査定の現実

複数の業者にまとめて依頼できる仕組みです。金額は上がりやすい一方で、知っておくべきことがあります。

対策は、第13講と同じです

  • その場で決めない。「他も見てから決めます」と伝えてよい
  • 書面をもらう。金額、引き渡しの条件、減額の可能性について
  • 減額の条件を事前に聞く。「あとから金額が変わることはありますか」と必ず確認
  • 連絡の数が負担なら、無理に使わなくてかまいません。買取店を2〜3店回るだけでも十分に比べられます

06手続きと、お金が戻るもの

項目中身
必要な書類車検証、自賠責の証明書、印鑑証明、譲渡に必要な書類など。店が案内してくれます
名義変更確実に行われたか、あとで確認してください。名義が残ったままだと、税や事故の連絡が来ることがあります
自動車税前払いした分が戻る場合があります。扱いは相手や時期によります
自賠責保険残りの期間に応じて戻ることがあります
リサイクル料金廃車ではなく譲渡の場合、預けた分が戻ることがあります
任意保険次の車に引き継ぐ手続きを。中断する場合は等級を保つ制度があります

等級の中断制度は覚えておくと役に立ちます。 しばらく車を持たない場合でも、手続きをしておけば等級を保てることがあります。 次に車を持つときの保険料が変わります。保険会社に確認してください。

07やってはいけないこと

事実と違うことを伝えない

修復歴を隠す、事故の履歴を言わない、走行距離について虚偽の説明をする。 これらは契約の解除や、損害賠償の対象になりえます。 査定士はプロなので、たいていの場合は分かります。隠して得られるものより、失うもののほうが大きいです。

今日、ひとつだけ

家の車のスペアキーがどこにあるか、探してみてください。 2本そろっていますか。それだけで、手放すときの評価が変わります。 出口の準備は、手放すと決めてから始めるものではありません。 買った日から、静かに始まっています。

出典と注記