車のカリキュラム第2講 動かし方の地図
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車のカリキュラム / 第1部 地図編

第2講 動かし方の地図

ガソリン、ハイブリッド、電気・・・何がちがうのか

ひと昔前は、ガソリンかディーゼルかの二択でした。いまは動かし方だけで6つも7つもあります。 選択肢が増えたのは良いことですが、選び方を知らないと確実に損をします。 しかも、この選択は燃料代だけでなく、税金・整備・数年後の売値まで変えます。 この講で、6つの動かし方を1枚の地図にして整理します。

016つの動かし方

仕組みを一言ずつ。難しく考えなくて大丈夫です。何で走って、何を補給するかだけの話です。

名前仕組みを一言で補給するもの
ガソリンガソリンを燃やして走る。いちばん基本の形ガソリン
ディーゼル軽油を燃やして走る。低い回転から力が出る軽油
ハイブリッド
(HV)
エンジンとモーターの両方で走る。減速のときのエネルギーを電気にして貯めるガソリンだけ
(充電は不要)
プラグイン
ハイブリッド
(PHEV)
ハイブリッドに、外から充電できる機能を足したもの。近距離は電気だけで走れるガソリン+充電
(どちらでも可)
電気自動車
(EV)
モーターだけで走る。エンジンがない充電だけ
燃料電池車
(FCV)
水素で発電しながらモーターで走る水素
(設備が限られる)

いちばん大事な区別

充電が必要かどうかで、まず2つに分けてください。 ガソリン・ディーゼル・ハイブリッドは、給油だけで済みます。いままでと同じ生活です。 プラグインハイブリッドと電気自動車は、充電できる場所が前提になります。 ここを間違えると、どんなに良い車でも自分には合いません。

📊 図解⑩ 動かし方6種の比較(A3横1枚)
仕組み・燃料代・税金・得意な使い方・苦手な使い方・整備・中古で見る点を横並びにしました。判断に必要なことが1枚に入っています。

02燃料代は「1kmいくら」で比べる

カタログの燃費の数字を比べても、実感がわきません。おすすめは、1km走るのにいくらかかるかに直す方法です。 計算はかんたんです。

計算のしかた

  • ガソリン・軽油の車・・・燃料1リットルの値段 ÷ 燃費(km/L)= 1kmあたりの燃料代
  • 電気自動車・・・電気1kWhの値段 ÷ 電費(km/kWh)= 1kmあたりの電気代

そのうえで、1か月に走る距離をかけます。年間で見ると、車種による差が数万円単位で出てきます。 ここで大事なのは、カタログの燃費どおりには走らないということ。 実際の数字は、街乗り中心なら7割前後、高速中心ならもう少し良い、くらいの感覚で見ておくと外れにくいです。

燃料の値段も電気の値段も変わります。だから固定の金額ではなく、この「計算のしかた」を覚えてください。 値段が変わっても、同じ式で比べ直せます。金額の具体例は第17講「維持費の全体像」で扱います。

03税金と補助の話

動かし方は、税金にも関係します。ただし、ここは制度が変わりやすいところです。仕組みだけ押さえてください。

項目何で決まるか動かし方との関係
自動車税排気量(軽自動車は定額)電気自動車は排気量がないため、別の区分で扱われる
重量税車の重さ電池を積む車は重くなりやすい。ただし減税の対象になることが多い
環境性能に応じた減税燃費や排出の基準電動車ほど優遇されやすいが、基準は年度ごとに変わる
補助金年度ごとの制度電気自動車などが対象になることがある。予算に上限があり、時期によって終わる
13年を超えたとき初度登録からの年数自動車税や重量税が上がる仕組みがある。古い車を長く持つときの注意点

要確認減税や補助の条件は年度ごとに変わります。買う時点の最新の制度を、販売店か公的な窓口で必ず確認してください。 この講では「どういう仕組みでお金が変わるのか」だけ覚えておけば十分です。

04使い方で答えが変わる

どれが優れているか、という問いに答えはありません。 あなたの使い方に合うのはどれかという問いにだけ、答えがあります。

こんな使い方合いやすい動かし方理由
街乗りが9割
短い距離をこまめに
ハイブリッド/軽のガソリン発進と停止が多いほどハイブリッドが効く。距離が短いなら軽で十分なことも
高速や長距離が多いガソリン/ディーゼル一定の速度で走り続ける場面では、ハイブリッドの差が縮まる。ディーゼルは高速が得意
自宅で充電できて
通勤が片道20km程度
電気自動車/プラグインハイブリッド毎日を電気でまかなえる。燃料代の差がいちばん大きく出る形
集合住宅で
充電設備がない
ガソリン/ハイブリッド充電できないなら、電気自動車の利点は半分以下になる
雪国・山道が多い四輪駆動のガソリン/ハイブリッド寒さで電池の性能は落ちる。暖房の使用も電気を使う。渋滞での立ち往生も考えておく
年に数回しか
乗らない
そもそも持たない選択もカーシェアやレンタカーとの比較を先に。終章で扱います
📊 図解⑪ あなたに合う動かし方チャート(A3横1枚)
4つの質問に答えていくだけで、候補が絞れる分岐図です。最初の質問は「自宅で充電できますか」。ここで道が大きく分かれます。

05中古で見るときの注意

動かし方ごとに、中古で確認すべき点がちがいます。ここは第10講の予習でもあります。

動かし方中古で必ず見るところ
ハイブリッド駆動用電池の保証が残っているか。交換になった場合の費用の目安も聞いておく
電気自動車電池の劣化具合。車体の状態よりこちらが重要。残量の表示や診断の記録を見せてもらう
プラグインハイブリッド電池の状態に加えて、前の持ち主が実際に充電して使っていたか
ディーゼル短距離ばかりの使われ方をしていないか。排気をきれいにする部品の状態
ターボ付き過走行の場合、オイル交換の記録が残っているか
共通記録簿(整備の履歴)があるか。これがある車は、たいてい大事にされています

06結局、どう決めればいいのか

順番をひとつだけ覚えてください。

決める順番

  • 1. 自宅(または職場)で充電できるか・・・ここで大きく2つに分かれます
  • 2. 年間で何km走るか・・・距離が短いなら、燃費の差はあまり効きません
  • 3. 街乗りと高速の比率・・・街乗りが多いほどハイブリッドが効きます
  • 4. 雪や寒さがあるか・・・寒い地域では電池の性能が落ちることを見込んでおく

この4つに答えれば、候補は自然に絞れます。逆に言うと、この4つを考えずに 「これからは電気自動車だから」とか「ハイブリッドが得だから」で選ぶと、合わない可能性が高いです。

今日、ひとつだけ

自宅の駐車場に、電源が来ているか見てきてください。外に使えるコンセントがあるか。 分電盤から駐車場まで距離があるか。持ち家か、集合住宅か。 この1点の確認だけで、これから見る車の半分が候補から外れるか、逆に半分が候補に加わります。

出典と注記