車のカリキュラム第10講 中古車の目利き入門
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車のカリキュラム / 第2部 選ぶ編

第10講 中古車の目利き入門

車種を買うのではなく、その1台を買う

中古車で失敗する人と、うまく買う人の差は、知識の量ではありません。 見るべきところを、決められた順番で見るかどうかだけです。 ここでは、情報の読み方・現車の見方・書類の確認・相場の調べ方を、そのまま使える形でお渡しします。 印刷して店に持って行けるチェックリストも付けました。

01中古車は「個体」を買う

新車は、同じ車種の同じグレードなら、どれを買っても中身は同じです。 中古車はちがいます。同じ車種・同じ年式・同じ走行距離でも、1台ずつ状態がちがいます

前の持ち主が、どんな道を、どんな運転で、どう手入れして乗ってきたか。 それが全部その1台に残っています。だから中古車選びは「車種選び」ではなく「個体選び」なのです。

この講のいちばん大事な考え方

車種を決めるのは第7講までの作業です。 この講から先は、絞った車種の中で、状態のいい1台を見つける作業になります。 「この車種が欲しい」で止まらず、「この個体は買っていいか」まで進んでください。

02掲載情報の読み方

中古車の情報には、決まった項目が並んでいます。ひとつずつ意味を押さえます。

項目意味見るときの注意
年式
(初度登録年月)
初めてナンバーが付いた年月モデルの世代とは別。同じ年式でも、その途中で改良されていることがある
走行距離これまで走った距離年1万kmが目安。少なすぎる車も、長く動かしていないという別の心配がある
修復歴車の骨格にあたる部分を修理・交換した履歴ぶつけて外板を直しただけなら修復歴には入りません。骨格に及んだかどうかが分かれ目
記録簿点検や整備を受けた記録あるかないかで、その車の育ち方が分かります。いちばん見てほしい項目
車検残次の車検までの期間残りが長いほど、当面の出費が少ない
ワンオーナー前の持ち主がひとりだけ履歴が追いやすい。ただし、それだけで良い車とは限らない
保証販売店やメーカーの保証の有無と内容期間・距離・対象の部位を必ず書面で確認

修復歴について、正しく知っておく

修復歴ありの車が、必ずしも危険というわけではありません。 ただし、まっすぐ走らない、タイヤの減り方が偏る、雨漏りがするといった不具合が出ることがあります。 初めての中古車では、修復歴なしを選んでおくのが安全です。 価格が相場よりかなり安い車には、たいてい理由があります。

📊 図解⑲ 中古車情報の読み方(A3横1枚)
掲載情報の見本を使って、どの項目を、どう読むかを1枚で。相場の調べ方と「安すぎる個体の理由」も入れました。

03現車で見るところ

写真では分からないことが必ずあります。可能なかぎり、実物を見てから決めてください。 見る順番は、外から内へ、上から下へ。

外まわり

室内

エンジンルームと下まわり

📊 図解⑱ 中古車 現車チェックリスト(A3横1枚・書き込み式)
外装・室内・エンジンルーム・下まわり・タイヤ・試乗・書類の7ブロック。印刷して店に持って行ける形にしました。1台ごとに1枚使ってください。

04試乗で確かめること

確かめることやり方
まっすぐ走るか安全な直線で、ハンドルに軽く手を添えて走る。片方に寄っていかないか
異音がないか音楽を消して走る。段差を越えたときの音、カーブでの音に注意
ブレーキの効き踏んだときに、震えたり片側に取られたりしないか
変速のようす加速のとき、変速のたびに大きな衝撃がないか
エアコン冷房と暖房の両方を入れてみる。においと効きを確認
警告灯エンジンをかけたとき、消えるべき警告灯が消えるか

試乗できない、と言われる場合があります。それ自体は珍しいことではありませんが、 高額な買い物で、動かして確かめられないという事実は、判断材料として持っておいてください。

05書類で確かめること

06相場の調べ方と、安すぎる個体

相場は、自分で調べられます。中古車の情報サイトで、車種・年式・走行距離をそろえて検索し、 出てきた価格を10台ぶんくらい眺めるだけで、だいたいの帯が見えます。

そのうえで、相場より明らかに安い個体を見つけたら、安い理由を聞いてください。 理由に納得できれば、それは買い得です。理由がはっきりしないなら、見送るのが賢明です。

安い理由納得できるか
走行距離が多い納得できる。距離と価格のつり合いを見る
不人気な色、不人気なグレード納得できる。むしろ狙い目になりうる
車検が残り少ない納得できる。車検費用を足して比べればよい
修復歴がある内容による。どこをどう直したかを具体的に聞く
説明が曖昧、書面がない納得できない。見送る

07兄弟車を調べる

第3講で扱った話が、ここで効いてきます。 ある会社が作った車が、別の会社の名前で売られていることがあります。中身はほぼ同じです。

狙っている車が見つかったら、「この車に兄弟車はありますか」と一度調べてみてください。 人気ブランドの名前が付いているほうが高くなりやすいので、同じ中身で数万円から十数万円安く買えることがあります。 調べ方は簡単で、車種名と「OEM」または「兄弟車」で検索すれば出てきます。

今日、ひとつだけ

中古車の情報サイトを開いて、気になる車種を1つ検索してみてください。 そして、いちばん安い個体といちばん高い個体を並べて、何がちがうのかを見比べてみる。 年式か、距離か、修復歴か、保証か。5分の作業で、この講の内容が自分のものになります。

出典と注記