車のカリキュラム第21講 買い替えの考えどき
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車のカリキュラム / 第5部 出口編

第21講 買い替えの考えどき

「まだ乗れる」と「乗り続けるべき」は別

ここから第5部、出口編です。買った車は、いつか必ず手放します。 そのときに慌てないために、どういう状態になったら考え始めるのかを先に知っておきましょう。 多くの人は「壊れてから」考えます。でも、壊れてから考えると、選ぶ時間がありません。 急いで決めた買い物は、たいてい高くつきます。

01「まだ乗れる」は判断基準にならない

車は、手入れをすればかなり長く走ります。20年、30万kmという車も珍しくありません。 だから「まだ乗れるか」で考えると、答えはたいてい「乗れる」になります。

判断すべきは別のことです。これから先も、この車に乗り続けるのがいちばん合理的か。 この問いに変えると、考えるべきことが見えてきます。

3つの視点で見る

  • お金・・・これから先の維持費と修理代は、乗り換えた場合より小さいか
  • 安全・・・いまの車に、いま必要な安全装備が付いているか
  • 暮らし・・・家族の形や住む場所が変わって、必要な車が変わっていないか

このうち、お金だけで判断すると、古い車に乗り続けるほうが有利になりやすいです。 車両価格の負担がすでにゼロに近いからです。だから、残りの2つも一緒に見てください。

02考え始める5つのサイン

サイン中身なぜ考えどきか
1. 次の車検が
近づいた
車検の3〜6か月前車検を通せば2年は乗ることになります。その前が、いちばん選択肢が多い
2. 修理が
増えてきた
年に何度も工場に行くようになった1つ直すと次が来る、という状態になったら、部品全体が寿命に近い
3. 年数の区切りが
来た
初度登録から13年、18年税が上がる仕組みがあります。年間コストを計算し直す時期
4. 暮らしが
変わった
家族が増えた、減った。転居、転職、免許返納必要な車の条件そのものが変わっています
5. 安全装備の
世代差が開いた
自動ブレーキなどが付いていない10年前と今では、標準の装備がちがいます。これは家族の安全の話
📊 図解㉛ 買い替え判断チャート(A3横1枚・書き込み式)
5つのサインの確認と、「修理するか買い替えるか」を数字で比べる計算欄をまとめました。修理見積もりを受け取ったときに開いてください。

03修理か、買い替えか

大きな修理の見積もりが出たとき、多くの人が迷います。数字で考える方法をお渡しします。

比べるもの

  • A:修理して乗り続ける場合
    修理代 + これから数年の維持費 + この先も出そうな修理の見込み
  • B:買い替える場合
    次の車の年間コスト(第8講の表)×年数 - いまの車を手放して戻るお金

この2つを、同じ年数で比べます。3年なら3年、5年なら5年で揃えてください。 片方だけ長い期間で見ると、答えがゆがみます。

判断のヒント

状況考え方
修理代が、その車の価値を大きく超える買い替えを検討する材料になります。ただし、その車でしか得られないものがあるなら別
修理すれば、あと数年は問題なさそう修理のほうが安いことが多いです。車両価格の負担がないぶん強い
直しても、また別のところが来そう「1つ直すと次が来る」状態なら、出口を考え始める時期です
安全に関わる部分の修理乗り続けるなら必ず直す。直さずに乗るという選択肢はありません

04車検を通すべきかの判断

車検の見積もりが出たとき、そこには「今回の車検費用」だけでなく、 これから2年ぶんの見通しが含まれています。整備士に聞いてみてください。

聞くとよいこと

この車、あと2年乗るとしたら、ほかに何が来そうですか
経験のある整備士なら、だいたいの見通しを話してくれます。 その答えを、車検費用に足して考えてください。それが、乗り続ける場合の本当の金額です。

そのうえで、いまの車を手放したらいくらになるかも調べておきます。 車検を通す前と後では、手放したときの金額が変わることがあります。 通してから手放すか、通さずに手放すか。この判断も、事前に相場を知っていればできます。

05暮らしが変わるとき

お金の計算より優先される場面があります。生活の形が変わったときです。

変化必要な車がどう変わるか
子どもが生まれるチャイルドシート、乗り降りのしやすさ、荷物の量。スライドドアが効いてきます
子どもが独立した大きな車が要らなくなります。小さくすると維持費が大きく下がります
親の介護が始まった乗り降りのしやすさ、車いすの積載。福祉車両という選択肢もあります
転居した駐車場の大きさ、道の広さ、雪の有無。条件そのものが変わります
通勤しなくなった走行距離が減ります。持ち方を見直す時期かもしれません
運転に不安が出てきた安全装備の新しい車に替えるか、免許の返納を考えるか。家族と話す時期です

免許返納について

いつか、運転をやめる日が来ます。本人にとっても家族にとっても、簡単な話ではありません。 ただ、元気なうちに話しておくほうが、追い込まれてから話すよりずっと穏やかです。 「何かあったら」ではなく「どうなったらやめるか」を、先に決めておく。 これも車との付き合い方のひとつです。

06動きやすい時期

時期なぜ動きやすいか
車検の3〜6か月前いちばん選択肢が多い。車検を通す前なら、通す費用を次の車に回せます
走行距離の節目の前5万km、10万kmを超えると査定が下がりやすい。手前で動くと有利なことがあります
販売店の決算期買う側にとって条件が良くなることがあります
次の車の
モデルチェンジ後
前の型の在庫が動きやすくなります
需要が高まる季節四駆やSUVは雪の前、オープンカーは春。売る側として有利な時期があります

ただし、時期を狙うより、自分の必要が優先です。 通勤に使う車が壊れているのに、決算期まで待つ意味はありません。 タイミングは「同じ条件なら、こちらが少し有利」という程度に考えてください。

今日、ひとつだけ

いま乗っている車が、いまいくらで売れるのか調べてみてください。 中古車の情報サイトで、同じ車種・同じ年式・同じくらいの距離の車がいくらで売られているか見るだけでも、目安になります。 自分の車の値段を知らない人は、手放すときに損をします。 次の講で、その値段を上げる方法を扱います。

出典と注記