ここが、車選びで最初の大きな分かれ道です。 新車と中古では、必要な知識も、予算の配分も、店選びの基準も変わります。 どちらが正しいということはありません。ただ、向き不向きははっきりあります。 この講で、自分がどちらの道を行くのかを決めてしまいましょう。
車は、ナンバーを付けて登録した時点で中古車になります。走っていなくてもです。 そして値段は、最初の数年でいちばん大きく下がります。 そのあとは、ゆるやかになっていきます。
この落ち方を知っていると、新車と中古の議論がはっきり見えてきます。 新車を買う人は、いちばん値段が下がる期間を自分で引き受けているのです。 中古で買う人は、その下がったあとから乗り始めます。
| 時期 | 何が起きているか | 買う人にとって |
|---|---|---|
| 新車 | いちばん高い。ただし保証も装備も最新 | 安心と自由度を買っている |
| 1年落ち | 登録から1年。ほぼ新車の中身で値段だけ下がっている | 状態が良く、割安になりやすい帯 |
| 3年落ち | 最初の車検を終えたあたり。台数が多く出てくる | 状態と値段のつり合いが良い、いちばん人気の帯 |
| 5年落ち | 値段の下がり方がゆるやかになってくる | 予算を抑えつつ、まだ長く乗れる |
| 7〜10年落ち | 価格は大きく下がるが、修理の可能性が上がる | 安く買えるぶん、修理費を見込んでおく |
中古で失敗しないための具体的な見方は、次の第10講「中古車の目利き入門」で丸ごと扱います。 この講では、新車と中古のどちらの道を行くかだけ決めてください。
ひとくちに中古車といっても、買う場所によって性質がまったくちがいます。
| 種類 | 中身 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 認定中古車 | メーカーや正規販売店が、点検と整備をしたうえで保証を付けて売るもの。価格は高め | 初めての中古車。手間より安心を取りたい人 |
| 一般の中古車店 | 専門店から地域の店までさまざま。品ぞろえも価格も幅が広い | 自分で見極められる人。相場を調べる手間をかけられる人 |
| 個人売買・ オークション代行 | 安く買える可能性があるが、保証も責任も基本的に自分持ち | 知識と、直せる当てがある人。初めての1台には勧めません |
車の知識にまだ自信がないなら、保証が付いた中古車から入るのが安全です。 価格は少し高くなりますが、その差額は「安心料」であり、また「勉強代を払わずにすむ費用」でもあります。 1台目で車の見方を覚えて、2台目から選択肢を広げる。この順番をおすすめします。
意外と知られていない、新車と中古の中間があります。登録済未使用車です。新古車と呼ばれることもあります。
弱点もあります。グレードも色も選べません。すでにある車の中から選ぶことになります。 また、新車の保証がどう扱われるかは車と店によってちがうので、必ず確認してください。
こだわりの色やグレードがない人にとっては、かなり有力な選択肢です。 軽自動車や人気のコンパクトカーでは、この形で買う人が実際に多くいます。
長く乗るほど新車が有利になり、短く乗り換えるほど中古が有利になる・・・これがおおまかな傾向です。 ただし、長く乗るつもりでも、途中で生活が変わることはあります。 子どもが生まれる、転勤する、免許を返す。10年先を確約できる人はいません。 そこまで含めて、第8講で出した年間コストで比べてください。
気になっている車種を1つ決めて、新車の価格と、3年落ちの中古の相場を調べてみてください。 検索するだけで数分で分かります。その差額が、あなたが「最初の3年」に払う金額です。 その金額を見て、どう感じるか。それが答えです。