AI時代のプログラミング学習カリキュラム第23講 手戻りを減らす進め方
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AI時代のプログラミング学習カリキュラム 第5部 AIへの指示力

第23講 手戻りを減らす進め方

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この講で解けるようになる困りごと

作りたいものをAIに全部伝えて、一気に作ってもらった。壮大なコードが返ってきた。動かすと、動かない。直してもらうと、別の場所が壊れる。もう、どこが正しくてどこが壊れているのか、誰にも分からない・・・。

第21講で指示を整え、第22講で守るものを伝えられるようになりました。仕上げは、進め方です。この講のゴールは、大きな作りたいものを、"確認できる単位"に刻んで進められるようになることです。


仕組み

料理の味見にたとえます。

コース料理を全部作り終えてから、初めて味見をする料理人はいません。だしを取ったら味見。味付けをしたら味見。工程ごとに確かめるから、狂いがあってもその場で分かり、その工程だけ直せばいい。全部作ってから「なんか変だ」に気づいた場合は、どの工程の狂いなのか、鍋を全部さかのぼることになります。

AIとの開発も同じです。大きく作らせて最後に確認、ではなく、小さく作らせて毎回味見。具体的には、作業を「動作確認できる単位」に刻みます。ポイントは、切れ目を"確認できるかどうか"で決めることです。データの準備だけでは画面で確かめられないから、表示されるところまでを最初の一皿にする・・・そんな具合に、毎回、動くものが手元に残る刻み方をします。

なぜここまで味見にこだわるのか。AIの間違い方に、理由があります。AIの間違いは、大きく3つの型に分かれます。

3つに共通するのは、コードを眺めているだけでは見つけにくいことです。それらしい嘘は、それらしい。時代遅れは、一見正しい。過剰工事は、見ていない場所にいる。あぶり出す方法は、結局1つしかありません。動かすことです。小さく刻んで毎回動かすのは、几帳面だからではなく、この3つを早い段階で捕まえるための、いちばん確実な網なのです。

そして、味見が済むたびに、第13講のセーブを打つ。動いた状態を記録してから、次の一皿へ。これで、次の工程で何が起きても、戻る場所は常に「最後に動いていた状態」です。手戻りは、ゼロにはできません。でも、戻る距離を一皿ぶんにすることはできます。


✍️ 手元で確かめる(5分)

いまやりたい作業を、1つ選んでください。自分の一枚に何か足したい人はそれを(例:趣味の一覧を追加して、写真も載せたい)。実物がある人は、実物の次の作業を。

それを、動作確認できる単位に3分割して、紙に書きます。分け方に迷ったら、質問例1に手伝わせてください。

書けたら、各行の右に「どう確認するか」を書き足します。「趣味の一覧が画面に出る」「写真が表示される」「スマホで見ても崩れない」・・・確認方法が書けない行があったら、それは刻み方がまだ大きい印です。もう一段、割ってください。3行とも確認方法つきで書けたら合格。そのメモが、次にAIへ渡す工程表になります。


💬 AIへの質問例

そのまま貼って使えます。

  1. 「私は初心者で、手戻りを減らす進め方を練習しています。この作業を、それぞれが動作確認できる単位に3~5個に分けてください。各単位に『何ができたら次へ進んでいいか』の確認項目もつけてください。作業の内容:(やりたいことを書く)」
  2. 「いま分けた単位の1つ目をお願いします。できあがったら、私が動作確認すべき項目と、確認の手順を教えてください。次の単位の作業は、私が『確認できた』と言うまで始めないでください」
  3. 「このコードに、存在しない部品や関数を使っている箇所や、いまでは古くなった書き方が無いか、自分で点検してください。あやしい箇所には、どのくらい自信があるかも添えてください。(コードを貼る)」

3つ目のような自己点検は、完全ではありません。それでも網を1枚増やす価値はあります。最後の網が「動かすこと」なのは、変わりませんが。


⚠️ やってはいけないこと

確認せずに、積み上げること。

「たぶん動くだろう」で次の工程を頼み、その上にさらに次を頼む。3工程目で動かなくなったとき、原因は1工程目かもしれず、2工程目かもしれず、その組み合わせかもしれません。第12講で覚えた切り分けを、自分の手で難しくしているのです。ブレーカーで言えば、配線工事を3件まとめて終えてから、初めて電気をつけるようなもの。

急いでいるときほど、味見を飛ばしたくなります。でも、この講座で何度も見てきたとおり、確認を飛ばして浮いた時間は、原因探しの時間として利子つきで返ってきます。小さく作り、動かし、記録する。この三拍子が、結局いちばん速い。


📌 まとめ

  • 大きく作って最後に確認、ではなく、動作確認できる単位に刻んで毎回味見
  • AIの間違いは3型・・・それらしい嘘、時代遅れ、過剰工事。どれも動かすことでしか捕まえられない
  • 一皿ごとにセーブ。手戻りはゼロにできないが、戻る距離を一皿ぶんにはできる