入門書を読むと、例題は分かります。動画を見ると、講師の画面では動いています。
でも、手元には何もない。
教材の中の話はぜんぶ"他人事"で、閉じた瞬間に消えていく。プログラミング学習が続かない理由の多くは、才能でも忍耐でもなく、ここにあります。自分のものが1つも無いまま、他人のコードを眺め続けているからです。
この講でやることは1つだけ。AIに頼んで、"自分の一枚"・・・自己紹介ページを1枚だけ作ってもらい、自分のパソコンに保存します。以後のすべての講で、読む相手も、壊す相手も、直す相手も、公開する相手も、ぜんぶこの一枚です。
先にお断りを2つ。
すでに自分で作って動かしているもの(サイトでもアプリでも自動処理でも)がある人は、この講は読み飛ばして構いません。以後「自分の一枚」と書いてある箇所は、その実物に読み替えてください。実物があるなら、常に実物が優先です。
もう1つ。この講座の演習では、ブラウザ(ChromeやSafariなど、Webページを見るためのソフト)に隠れている"画面の裏側をのぞく道具"(開発者ツール。第1講から使います)を使うため、受講はスマホよりパソコンをおすすめします。
教習車を思い浮かべてください。
運転を学ぶとき、教本だけ読んで路上に出る人はいません。かならず、自分がハンドルを握る車を1台あてがわれます。アクセルを踏めば進み、踏みすぎれば怖い思いをする。その"手応え"が無いと、教本の文字は知識のまま溜まっていくだけです。
プログラミングも同じで、必要なのは知識の前に車のほう。つまり、自分が自由に動かして、壊して、直していい実物です。
今回作るのは、次の3つが入った1枚のページです。
「たった1枚?」と思うかもしれませんが、1枚で十分です。というより、1枚だから価値があります。この先の講で、コードを読む練習も、わざと壊す練習も、秘密情報の点検も、公開前の点検も出てきます。そのたびに大作を相手にしていたら、どこを見ているのか分からなくなる。教習車が高級車である必要はありません。
なお、作った一枚はまだ公開しません。フォルダに置いて、自分のブラウザで見るだけ。ネットに置く話(置き場所の選び方)は第4部でじっくりやります。
最初の1回だけの準備なので、この講に限っては、5分にこだわらず落ち着いてやってください。
4番までできたら、この講は達成です。「書き換えて、保存して、再読み込みすると、画面が変わる」。この一往復が、この先ずっと繰り返す基本動作になります。
そのまま貼って使えます。
1つ目の条件③がいちばん大事です。分量の上限を自分から言わないと、AIは親切心で立派なものを作ってきます。
最初から大作を頼むこと。
「どうせ作るなら」と、ログイン機能つきの日記アプリや、商品一覧のあるお店のページを頼みたくなります。AIは作ってくれます。それが罠です。返ってくるのは、ファイルが何個もあって、開いても1行も読めない量のコード。動かし方が分からず、質問しようにも何を聞けばいいか分からず、そっとフォルダごと閉じる・・・これが、AI時代のいちばん新しい挫折パターンです。
作れるかどうかは、もう問題ではありません。AIは何でも作れます。問題は、自分が面倒を見きれるかどうか。その感覚は、読めるサイズの一枚から始めた人にしか育ちません。