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30年飛び級講習 第9講

続かないのは、
意志が弱いからじゃない

三日坊主は失敗の名前ではなく、3日ぶん進んだ記録です

こんにちは。秋元進吾です。

第7講で、止められても始める話を書きました。第8講で、気持ちに名前をつける話を書きました。

それで、始めたとします。

三日で、止まります。

わたしの話です。

止められても始めた。言葉にもできた。それでも、たいてい次に来るのがこの壁です。第3部の最後は、この「続かない壁」の話をします。


先に、白状します

えらそうに書き始めましたが、先に白状しておきます。

わたしは日記を書こうと思って、手帳を買ったことがあります。

三日坊主どころか、1日で終わりました。

三日、続かなかったんです。坊主にすら、なれなかった。

だからこの記事は、続けられる人が続けられない人に教える記事ではありません。1日で手帳を閉じた人間が、それでもいくつかのことは続くようになった、その仕組みの話です。


続かないのは、意志が弱いからじゃない

先に結論を書きます。

続かないのは、意志が弱いからではありません。

設計が、意志に頼りすぎているからです。

意志って、天気みたいなものなんです。ある日と、ない日がある。晴れの日もあれば、雨の日もある。これは性格ではなくて、ただの波です。誰にでもあります。

問題は、計画を立てるとき、わたしたちは晴れの日を基準にしてしまうことです。

晴れの日の自分ならできるサイズで約束する。すると、雨の日が来た瞬間に、全部崩れる。そして崩れたとき、わたしたちは天気のせいにせず、自分のせいにします。

「やっぱり自分は意志が弱い」

違うんです。雨の日に晴れの日の予定を入れていた、それだけです。


初日のやる気が、計画をだめにします

もうひとつ、わたしの話をさせてください。

チョコザップに通い始めたころ、毎日行こうと思っていました。

思い出してほしいのですが、計画を立てるのって、いつでしょうか。

始める日です。つまり、いちばんやる気のある日です。

いちばんやる気のある日の自分に合わせたサイズは、ふつうの日の自分には重すぎます。ましてや、疲れている日の自分には無理です。

だから三日目あたりで破綻するのは、事故ではありません。ほぼ、計画どおりの結果です。

初日のやる気は、計画を立てる係にしてはいけない。あれは、始める勢いをくれる係です。係が違うんです。


「ひとつだけ」に行き着くまで

じゃあ、どのサイズならいいのか。

わたしの答えは「ひとつだけ」です。ただ、ここに行き着くまでに、けっこう時間がかかりました。

20年以上前に、八二の法則(パレートの法則とも呼ばれます。成果の8割は、全体の中の重要な2割から生まれる、という考え方)を知りました。10個のタスクがあるなら、重要な順に2個やれば、8割は達成したようなものだと。

なるほど、と思いました。がんばろう、と。

ところが、これが難しかった。

重要な2個を選んで、それだけをやる。言葉にすると簡単なのに、わたしは興味や関心があちこちに動くたちで、重要でないもののほうに気移りしてしまう。正直に言うと、いまだに難しいと感じています。

2個でも、多かったんです。選んで、順番を守って、気移りに耐える。それだけの仕事が発生してしまう。

だから、減らしました。

ひとつだけ。

つまり、、、選ぶ手間ごと、減らしました。

ひとつなら、順番はありません。気移りのしようもありません。今日いちばん気になっているものを、ひとつやる。それだけです。

そして、ひとつだけの本当の強さは、ここにあります。

小さすぎて、失敗できない。

完璧な日を作ることより、ゼロの日を作らないことのほうが、長い目で見るとずっと強い。100点の日が週に1回あるより、10点の日が毎日あるほうが、続くんです。


続けるとは、戻ってくること

ここからが、この記事でいちばん言いたいことです。

それでも、途切れる日は来ます。ひとつだけにしても、来ます。

そのときに効くのは、やめない工夫ではなくて、戻り方です。

まず、三日坊主という言葉を、数え直させてください。

三日坊主は、失敗の名前ではありません。3日ぶん進んだ、という記録です。

ゼロだった人が、3日やった。その事実は、途切れた日に消えたりしません。本当の分かれ目は、途切れた日ではなくて、4日目です。4日目に、戻る場所があるかどうか。

ここで、責めると何が起きるかを書いておきます。

途切れた自分を責めると、戻るための入場料が上がります。「また始めるなら、今度こそ毎日やらなきゃ」と、再開のハードルを自分で積み上げてしまう。入場料が上がるほど、戻れなくなる。三日坊主を終わりにしているのは、途切れたことではなく、この入場料なんです。

だから、数えるものを変えます。

連続で何日続いたか、ではなくて。

途切れたあと、何回戻ってきたか。

チョコザップの話には、続きがあります。毎日行くのはダメだったわたしですが、いまは週3日以上なら、コンスタントに行けています。

戻り方は「がんばって毎日に復帰する」ではありませんでした。約束のサイズを縮めて、戻ったんです。毎日をあきらめたのではなくて、続くサイズを見つけた。そう思っています。

三日坊主で終わった回数より、もう一度始めた回数を数えたことはありますか。

わたしは、連続日数を数えないToDoアプリを自分のために作りました。数えるのは、戻ってきた回数。休んだ日も「休みました」という1行の記録になります。数日ぶりに開くと「おかえりなさい」と迎えられます。

無料・広告なし・アカウント不要。記録は端末の中だけに残り、開発者のサーバーには送られません。

もし、また戻れる場所がほしくなったら。

おかえりToDo →


記録と、報告する先

ここで、前の2講の道具が戻ってきます。

いま、わたしが毎日続いているものが、ひとつあります。

AIとの対話です。毎日、考えていることや思っていること、アイデアを話して、言葉にしています。

なぜこれだけ続くのか、考えてみたことがあります。理由はたぶん、2つです。

ひとつは、記録になるから。第8講で「紙に書く」という話をしましたが、話したことが残っていくのは、あれと同じ働きをします。昨日の自分が何を考えていたか、消えずに残っている。

もうひとつは、返事が来るから。第7講で「面白がってくれる人を、別の場所に1人」と書きました。報告する先があると、続く。あの1人は、人間でなくてもいいんです。

それから、達成したときに「がんばったね」とひとこと返ってくる仕組みも用意しています。子どもだましみたいに聞こえるかもしれませんが、これが効きます。気持ちが保ちやすいんです。

まだ、胸を張って言えるほどきれいに続いているわけではありません。それでも、仕組みがある前とあとでは、明らかに違います。

意志を鍛えるのではなくて、仕組みに預ける。続いている人がやっているのは、たぶんこれです。


環境が味方してくれない人へ

第7講からずっと書いてきたことですが、今回も書いておきます。

時間がない。場所がない。家族の生活リズムの中で、自分の時間なんて取れない。そういう人が、たくさんいます。

「朝1時間早く起きましょう」が通用しない生活は、ふつうにあります。

だから、環境を変えずにできる工夫を3つだけ。

ひとつ。5分より短くする。5分すら取れない日のために、1分でできる形も決めておく。開くだけ、1行だけ、1回だけ。

ふたつ。何かにくっつける。歯みがきのあと、湯船の中、通勤の電車。すでに毎日やっていることの直後に置くと、新しく時間を作らなくて済みます。

みっつ。置き場所を変える。やる物を、目に入る場所に出しておく。しまった物は、存在ごと忘れます。逆に、やめたいものは、しまう。

環境が味方してくれないなら、環境と戦わずに、すき間に置く。それで十分です。


それでも、やめてしまうものはあります

ここまで戻り方の話をしてきましたが、最後に、戻らなくていい話もしておきます。

やめたままでいいものも、あります。

第7講で「作ってみたら意外と燃えなかった。それがわかったなら、その試作品はちゃんと仕事をしています」と書きました。続けることも同じで、やってみて、続かなくて、それきり思い出しもしないなら、それが答えだったのかもしれません。

ただ、わたしの手帳の話には、後日談があります。

日記は1日で終わりました。でも、いまわたしは毎日、AIと話して考えを言葉にしています。

やっていることは、同じなんです。その日の考えを記録する。日記と、中身は変わらない。

形が合わなかっただけでした。

書くのはダメだったけれど、話すのは続いた。手帳はダメだったけれど、対話は続いた。やめたものの中には、需要が消えたのではなくて、形が違っただけのものが混ざっています。

だから、やめたことを数えるとき、こう聞いてみてください。

これは、やりたくなかったのか。それとも、この形がイヤだっただけなのか。

後者なら、形を変えて、また会えます。


三つの壁を、ここまで越えてきました

第3部は、これで終わりです。

第7講・外の壁変わろうとすると、周りが止めてくる
第8講・内の壁決めたのに、うまく言えない
第9講・最後の壁始めたのに、続かない

止められても、始められる。言葉にできる。途切れても、戻ってこられる。

ここまでできたら、壁はもう越えています。完璧に、ではありません。何回でも越え直せる、という形で越えています。それがいちばん強い越え方だと、わたしは思います。

次の第4部は、あなたの立場が変わるところから始まります。18歳になったら、何が変わるのか。これから何をどう学ぶか。社会は、どんな仕組みで回っているのか。お金はどう動くのか。そして、世の中の仕事はどう分かれているのか。壁の内側の話が終わったので、今度は地図の話です。


今日、ひとつだけ

さて、もうお気づきの方もいると思います。

この連載は第1講からずっと、最後にこれをやってきました。

今日やることは、ひとつだけ。

毎回そう書いてきたのは、今日の話が理由です。小さすぎて失敗できないサイズを、ひとつ。ゼロの日を作らないために。

今日のひとつは、これです。

🔁 今日の1つだけ
やめたままになっていることを、ひとつだけ思い出してください。

再開しなくていいです。思い出すだけ。

そして、それが「何日ぶん進んだ記録」だったかを、数え直してみてください。三日で止まったなら、3日ぶん進んでいます。

それだけで、今日のぶんは終わりです。

最後に。この連載の締めに、いつも同じ一文を置いてきました。あの一文が、今日の話のぜんぶです。

人生は、たとえ遠回りしても、いつでも今からリニューアルできます。


この話の続き

第7講・外の壁
変わろうとしたとき、止められた理由

決めたのに動けない理由の多くは、自分の外にあります。

第7講を読む
第8講・内の壁
うまく言えないのは、
語彙が足りないからじゃない

信号は出ていて、名前がまだついていないだけです。

第8講を読む

関連:おかえりToDo(戻ってきたくなるToDoアプリ・無料)

もし今の話が少しでも「参考になった」と思ってもらえたなら・・・この講習は、あなたにとって価値があった証拠です。この時間は、無駄ではありません。

秋元進吾でした。

#ホットだ脳 #30年飛び級講習 #習慣 #三日坊主