このサイトには、家の話がいくつも置いてあります。買う前のお金の話、建てている人たちの話、住んでから外壁を塗り直すときの話、境界を測る話。
ただ、置いてある場所がばらばらでした。ブログにあるもの、記事のフォルダにあるもの、連載の1回ぶんとして書いたもの、職人さん向けの資料室にあるもの。書いた本人でも、どこに何があるか探すのに少しかかります。
そこでこの1枚を作りました。家の一生の順番に並べただけの地図です。新しい話は書いていません。全部、もうサイトの中にあります。登録も料金もいりません。
上から順に読む必要もありません。いま自分がいるところから、どうぞ。
縦が時間の流れです。自分がいまどこにいるかで、読む棚が決まります。
| いつ | あなたがすること | 出てくる人 | 読む棚 |
|---|---|---|---|
| 買う前 | お金を数える。買うかどうかを決める | 銀行・不動産会社・自分の家計 | 棚1 |
| 建つまで | 打合せ・地鎮祭・上棟・施主検査 | 建築士・現場監督・のべ数十人の職人 | 棚2 |
| 住みながら | 直す・頼む・見積もりを比べる | 塗装・クロス・大工・電気・外構ほか | 棚3・棚4 |
| 手放すとき | 完済・抵当権抹消・売る・受け取る | 司法書士・土地家屋調査士・不動産会社 | 棚2の第7章 |
まだサインをしていない人へ。値札の外側にあるお金の話です。
同じ3,500万円の家でも、金利1%と3%では35年の総支払いがおよそ1,500万円ちがいます。諸費用・固定資産税・修繕・庭のこと、住宅ローンの中身、更地から入居までの全12ステップまで。最後は「買う」「まだ待つ」「買わない」「いまは事情があって選べない」の4つを、ぜんぶ正解として返します。コーヒー2杯ぶんの長さです。
契約が済んだ人へ。いま現場に来ているのは、何の担当の人か。
サインをするのは、あなた1人。建てるのは、のべ数十人の手のリレーです。お金・書類・現場の3つのレーンが同時に走る全体マップと、職人さんの入場順。いちばん長く走り続ける人は、大工さんではありません。そして鍵を受け取った日も、まだゴールではありません。完済して抵当権を抹消する日と、途中で手放すときの話まで。
建てるのに、だいたい1年。でも守る仕事は50年続きます。生む・使う・守る・確かめる・終わらせるの5段階で、家の一生を測る回です。日本の空き家はおよそ900万戸、住宅のおよそ7軒に1軒(総務省 住宅・土地統計調査 令和5年)。中高生向け連載の1本なので実務の数字はありません。家の全長を5分で見渡すのに使ってください。
家を持つと、こちらのほうが長いおつきあいになります。見積書を前にして固まったときに。
発注する側の予習ノートです。8回とも同じ型で、「なぜ見抜けないのか」から「今日のひとつだけ」まで。まとめて読むならこちらから。以下は1回ずつの入口です。
足場は塗装に必ずかかる費用です。無料に見えるぶんは、別の項目に静かに乗っています。3回塗りを2回で止められても素人には見抜けず、答え合わせは早ければ2〜3年後の剥がれで来ます。今日の1分は、見積書に「一式」が何回出てくるか数えるだけ。
10万円の仕事も3万円の仕事も、貼りたてでは見分けがつきません。差が出るのは半年後、継ぎ目が開く・端がめくれる・下地の段差が浮く、という形で。品番と平米、この2語が書いてあるかを見てください。
塀の答え合わせは、地震や台風が来たときに行われます。駐車場の土間コンクリートも、下に鉄筋が入っているかは割れるまでわかりません。8回で唯一、金額を1円も書かなかった回です。見るのは、内訳が割れているかどうかだけ。
「その壁、抜けますよ」と気軽に言う相手には気をつけてください。抜いたのが耐力壁でも、見た目は広くて快適なリビングのまま。問題は、地震が来るまで姿を見せません。費用は人工(にんく)×日数+材料費。追加が出たときの精算ルールは、契約の前に決めておく。
定価80万円が、半額の40万円。その前に、定価のほうを疑ってください。本体・取付・付帯・撤去処分の足し算に分けないと比べられません。メーカー保証と工事保証は別物なので、「保証あります」には「どっちが、何年、何を」と聞き返してください。
8回で唯一、工事ではないサービスの回です。表面のパネルだけ拭いて完了、もできてしまいます。しかも自分から申し込んだ予約には、基本的にクーリングオフが使えません。作業中に壊されたときのために、損害賠償保険に入っているかも確認を。
無資格の違法工事が原因で火災や事故が起きると、火災保険や生命保険が下りないことがあります。この回だけ、7つのチェックのうち2つに【最優先】が付いています。ほかが全部よくても、その2つが確認できない相手は選ばないでください。聞くのは一言、「電気工事士の資格をお持ちですか」。
8回で唯一、相場を金額で書いた回です。現況測量はおよそ10〜20万円、確定測量はおよそ35〜80万円(土地30坪ほどの場合)。頼む相手(土地家屋調査士か測量士か)と、種類(現況か確定か)の2つの分かれ道から。安く済ませた境界の曖昧さは、売るときと相続のときに請求書になって返ってきます。
ここだけ、あなた向けではありません。それでも、のぞいておく意味があります。
正直に書きます。このページは職人さん向けに作った入口です。「お客さまにそのまま渡せる選び方ガイド」を、8業種ぶん無料で配っています。ただ、配っている中身のほうは、施主さんに読んでもらう前提で書いてあります。だから、これから頼む業者さんが何をどう説明するつもりなのか、その見本を先に見ておくことができます。1枚版のPDFを印刷して、見積書チェックの欄だけ持って会いに行く、という使い方もできます。登録も料金もいりません。
同じ知識を、読み物としてはあなたに、印刷物としては職人さんに、両方へ配っています。左が読む側、右が渡す側です。
職人さん向けの資料が、家を持つ人の地図にまざっていて、変に思われたかもしれません。理由を書いておきます。
僕は、発注する人と、職人さんの、両方に同じ知識を渡している人間です。片側だけが詳しくなっても、たぶん、いい工事にはならないからです。だからこの地図には、読む側の8回と、渡す側の8業種を、そろえて置いてあります。
そのうえで・・・この安心ガイドと同じ姿勢で仕事をする、信頼できる職人さんをおつなぎする仕組みを、いま準備しています。「自分で全部チェックして、3社も見積もりを取って見極めるのは、しんどいな」と感じた方の、最後の一押しになれたら。
紹介でお金をいただくことはしません(あなたからも、職人さんからも)。気になる方だけ、そっとお問い合わせ(contact@akimo10shin5.com)からどうぞ。
家の予算を組むとき、たいてい、もう1台ぶんの年間費用が同居しています。
車のほうも、同じ考え方で書いています。知る・選ぶ・買う・持つ・手放す・また選ぶ、の一周を全23講で。見積書の読み方、維持費の全体像、任意保険、そして手放し方まで。A3横の図解48枚は、印刷用PDFで無料配布しています。住宅ローンの月々を数えている時期は、車検と任意保険と駐車場代を数える時期でもあります。
売りません。ここに並べたものは、登録も料金もいりません。特定の会社や商品をおすすめすることもしません。
急かしません。家は買っても買わなくてもいいものです。「まだ待つ」も「買わない」も、ちゃんとした結論として棚1に書いてあります。
金額や制度は、地域と時期で変わります。最後は、必ずご自身で最新のものをお確かめください。
家は、建った日で終わりではありません。
そこから先のほうが、ずっと長いです。
秋元進吾